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Vol.0038 「NZ・生活編」 〜南半球体質〜

身長2メートル以上あるオーストラリア人の同僚がいたことがあります。彼は完全なベジタリアンでキリンのように野菜だけを食べていました。「ベジタリアン・メニュー探すのって結構大変なんだよね〜」と嘆きながら、時々べジマイトを塗ったサンドイッチをお弁当に持ってきたりもしてました。ここで素朴な質問。「どうして野菜だけ食べてそんなに大きくなったの?」別の同僚のイギリス人が、「オーストラリア人といえども元はイギリス人。でも彼らは僕たちよりはるかに体躯に恵まれている。食生活とか生活習慣はほとんど変らないと思うけど、どうしてなんだろう?」と、言っているのを耳にしたこともあります。

本当にどうしてでしょう?ニュージーランドに行っても大柄な人をよく見かけます。それもただ太っているのと違ってほどよくフィットしている人が多いので、男性でも女性でもとても逞しく、頼もしく見えます。自分の経験から言うと、身体が健康な時、特にジョギングやジムの後は、身体が多少疲れていてもとてもストレス・フリーになっているのを感じ、身体が軽くフットワーク良く思えるものです。精神的に強く、優しく、ゆとりをもって過ごすにはある程度の肉体的な強靭さが必要ではないかと常々思っていますが(ですから肉体的にそうでなくても強靭な精神力を兼ね備えている人を尊敬します)、そういう目で見るとキウイのほどよく筋肉が乗った身体は気持ちの余裕を期待させてくれるものです。

ロトルアに行った時、羊の毛狩りショーを見ました。その後ファームの中を散策していた時のことです。私達の行く手にどうも農協の一団と思しき年配男性の一群がガイドさんに連れられてゆっくり歩いていました。すぐに追いついてしまいましたが、道幅がかなり狭いので追い抜いていくという感じでもなく、なんとなく彼らの後ろにくっついて歩き始めたのです。そのうちガイドさんの説明がとても面白いことに気付き、聞き耳を立て始めました。

「さて、この木は樹齢何年だと思われますか?」、慣れた感じのガイドさんがある大木の前で立ち止まりみんなに質問しました。私にはその針葉樹のトシなど想像もできず、「30年や40年ではこうはならないだろう」程度にしかわからずにポカ〜ンと見上げていると、農協の方々は「90年!」「いや100年は越えてるだろう」とポンポン答えていました。その前の虹マスの説明の時には、ひたすらうなずいていたのと打って変って実に生き生きとした反応。林業関係のプロ達とお見受けしました。

答えが出揃ったところで、ガイドさんが「70年です!」と言うと、ド〜っとどよめきが漏れました。「こんなにデカくなるんか〜」と、賞賛と感嘆が入り混じった声。そのやり取りから見てニュージーランドの木は彼らの想定、つまり日本の平均よりもかなり速く成長しているらしいのです。「地球の自転の関係で北半球から持ってきた木でもここでは同じ期間内に2、3割大きくなるんですよ」とガイドさんが説明しています。「自転〜〜〜????」内心ビックリ!でもタダ聞き中なので、あからさまに反応することははばかられ、ましてやガイドさんに質問してしまうなんてことはできようはずもなく、「自転」「自転」「自転」・・・とその一言が私の中でグルグル回っていました。

木が大きく育つのだからニュージーランドのマスが丸太のように太くなり、体長60センチなんてとても食欲をそそられるようなものではなくなってしまうのも不思議ではないのかもしれません。となると平均的なイギリス人より大きなオージーやキウイというのも、地球の自転がなせる業なんでしょうか?あの巨大な野菜も?ヘチマかと思うようなキュウリや洗面器ぐらいありそうなキャベツも?絶滅してしまった体長が4メートルもあったと言われる飛べない怪鳥モアも・・・???

水が排水溝に流れていく渦巻きが北半球と南半球では反対になるそうですが、どうも私にはこの南半球の渦があっている気がします。「またまた何でもNZにこじつけて〜」と夫の野次が入りそうですが、それを何となく最初に感じたのはNZでではなく、実はアフリカの横のマダガスカルの、そのまた横のモーリシャスでした。5年ぶりの再訪でその良さを噛み締めてきたインドネシアのバリも立派な南半球です。同じようなリゾートでもプーケットを始め他の場所でここまでくつろいだ記憶はなく、リラックス度がダンチです。「クリスマスは真夏!」っていう南半球ライフ、結構合ってるのかもしれません。

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「マヨネーズ」 5年ぶりのバリ!とりあえず自分たちが回ったところは何〜も変ってなくて最高でした。次回は「NZ vs バリ」の超こじつけ、お気に入り対決をお送りしま〜す。

西蘭みこと