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Vol.0071 「NZ編」 〜IELTSお受験記〜

ニュージーランド移住希望者が避けては通れない、IELTS(International English Language Testing System、国際英語能力テスト)を受けてきました。これは英連邦版TOEFLのようなもので、移住への最初の関門でもあり、獲得した点数がそのまま本人の英語力を示す物差しになります。内容は30分間のヒアリング、1時間ずつの読解と筆記、15分のマンツーマンの会話からなります。結果は9段階評価で、「1」が最低で「9」が最高、NZ移住に必要な最低得点は「5」なので、約半分正解であれば条件を満たすことになります。「何だ、半分くらい・・・」と、お思いでしょう。私も最初はそんな風に思ってました。でも実際やってみると、かなりの量があり相当のスピードが要求されるので、全部に回答できない場合も考慮すると必要な正解率は更に高くなります。

西蘭夫婦は二人とも、中学校の時に受けた英検4級に落ちたというかなり珍しい経歴の持ち主です(私の場合、クラスで落ちたのは二人だけでした)。以来、英検なるものにはとんと縁がなく、私達の英語力を示すものは皆無です。ですが、英語圏ではないものの海外暮らしがお互い十数年になり、とりあえず習うより慣れろ的にどうにかなってしまっているせいか、どうも襟を正して過去の出題集に取り組む謙虚さがありませんでした。結局、私の準備は30分のヒアリングのテープを一回聞いただけで終わりました。

当日。朝8時半集合。受験者は軽く200人を超えていて、ほとんどが留学目的と思われる学生でした。でも、どこかに移住するのか年配者や、英語圏以外の西洋人、中国本土からの中国人に私達など、外国人が混じっていたのはかなり香港らしく思えました。小部屋に分けられ、簡単な説明を受け9時定時より試験開始。最初のヒアリングは送別会を開くための打ち合わせ、フィットネス産業の台頭、オーストラリアの環境問題についてでした。

ヒアリングは一回しか聞けないのがミソ。だんだん難しくなり、前後に引っ掛けるような数字が並んだりするようにもなるし、選択ばかりでなく単語を書き込むものもあるので結構時間がタイトです。一応、テープを聞く前に出題ごとに1分間目を通す時間があるのですが、いつも読み切れないうちにテープが始まってしまいました。しかも、「こんなに訛ってていいの?」と思うほど、テープの声のオーストラリアン・アクセントが強くてビックリ!でも、回答に「羊や牛」が出てきたのと合わせ、なんとなくご当地っぽくご愛嬌。

読解。「1時間あれば何とかなるだろう」と甘くみてましたが、時間ギリギリでほとんど見直せませんでした。前半2問はフラット(アパート)と求人の新聞広告がたくさん掲載されたものの中から、条件に合った広告を探し出すものでした。最後の見開き2ページにビッシリ書き込まれた最長文はなんと!オタゴ半島で見た気高いお姿の「アルバトロス」(アホウドリ。何という和名!)の話!翼を広げたT字型の挿絵を見たとたん、「いただき!」と直感しました。「これはきっと幸福の青い鳥ならぬ、幸福の巨鳥♪」と、なんの根拠もないままの激しい思い込み・・・。ほとんど現実逃避状態?

筆記。これも「設問が2問だしな〜」とちょっとなめてましたが、実際やってみると"手書き"が大変!パソコンなら"コピー&貼り付け"で簡単に文章を入れ替えたり、最後に一発、スペルチェッカーをかけることもできますが手書きとなると消すのも埋めるのも一苦労。出題は短い150字(20分)の方が社外でのスキルアップのために職場に特別休暇を申請するための手紙、長い250字(40分)はコンピューター、携帯電話など電子機器の利点と弊害を、体験も盛り込んで書くというもので、書いて書いてかきまくっているうちに時間いっぱいで、長い方は見直しできずに提出しました。果たして何字になったのか?

ランチをはさんで午後4時からの会話。優しい女性の試験官でした。最初は簡単な自己紹介。それから「好きな色は?」、「好きなフェスティバルは?」という無難な質問&回答。次は「今まで行ったことのない国で今一番行きたい国は?」ときたので、迷わず「オーストラリア♪」と本当のこと言いました。すると「それはまたどうして?私はオーストラリア人ですが・・・」となり、「NZに移住しようと思ってるんですが、みんなに"決心する前に是非一度行っておけ!"と薦められるもので・・・」と言うと、"Why New Zealand?"と、待ってましたのその一言!あとはもう堰を切ったようにドオオオォォォォォッッッッ〜〜と、時間いっぱいまでNZ移住ストーリーの大風呂敷。さぁ、これが吉と出るか、凶と出るか?

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「マヨネーズ」  息子の学校の4年生のビッグイベントと言えば、離島でのキャンプ!とうとう、長男・温も行ってきました。結構、用意が大変で、リュックは2つ、日焼け止めはスプレーやリッキッドはダメでロールオン・タイプだけとか、いろいろ決まりがあります。普段は日本の学校から比べたら一事が万事大雑把なので、この細かさはちょっと意外でした。「お気に入りのテディか人形」という項目もあり、温は普段ぬいぐるみと寝る習慣などさらさらないのに、いそいそとクマのぬいぐるみをバックに詰めてました。

その中で一つ分からなかったのが"plimsolls"。辞書を引き、先生と確認させ、"キャンバス地の運動靴"ということがわかり、「じゃ、スニーカー履いていくんだからOKだね」と、特に何も用意していかなかったら、なんとそれは室内履き用だったのです!外履きの靴とは別にもう一足持って行くべきだったのですが、そんなこととは露知らず。靴を履いて、長めのパジャマを着て、テディをかかえて、帽子でも被ったら、まんま絵本の挿絵に出てくるような西洋のお休みスタイルなんでしょうが、風貌から言って純和風の温には思いっきり似合わなそ〜。結局、彼は全60人の中で唯一裸足だったそうな。ゴメンね。

西蘭みこと