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Vol.0100 「生活編」 〜近未来の後ろ姿〜

「西蘭花通信」は今回100号を迎えました。ここまで続けてこられたのも読者の皆さまあってのことです。何度お礼を申し上げても言い尽くせませんが、心からありがとうございます。2月26日現在で定期購読されている方は108人になりました。ホームページの方でご覧になる方もいらっしゃるでしょうが、定期、不定期にかかわらず、読んで下さっていらっしゃる方々に深く感謝致します。そして、これからもよろしくお願い致します。

「100号は記念号にでもするの?」と配信担当の夫に言われ迷っていたところに、一通のとても美しいメールが舞い込んできたのでご紹介します。

お元気でいらっしゃいますか...? 私自身、日常の忙しさに追われて、ご無沙汰をしてしまい恐縮しています。お便りありがとうございました。お葉書の内容ではいよいよニュージーランドへの本格的な移住の準備をされているようですね....。向こうではどのようなことを起業されるのですか...?とても楽しみです。きっといろいろと豊富な考えがおありだと思います☆

私の方は、昨年の11月頃からだいぶ落ち着きました。いろいろな準備に手間取り、今年の4月からは遅れてしまいましたが、今住んでいる家でセラピールームを開きたいと思っています。エッセンシャルオイルの魅力はいまさらとは言え、すごく深くて、学ぶのもあきない状況で、自分自身の健康面でもたいへん支えてもらっています。

私は以前は、拘束時間の長い業界にいた上、企業に雇われる立場でしたので、自分の時間を作ることがなかなか難しかったのですが、そういう世界から離れて、本当にやりたいと前々から思っていたことが山ほどあったことに気づき、今そのしわ寄せがなだれのように、自分の時間に流れ込み、毎日本当に暇などまったくない状況になってしまっています....。(今後も収入は小さなものになりそうですが、この時間を使う嬉しさは一度わかってしまうと、質素に暮らすことなんて一向に構わなく思えます....)

仕事の上で、どうしてもフランスのホリスティック医療やエッセンシャルオイルの研究に入り込んでいきたいと思っていることから、フランス語が必須な状況で、昨年10月から日仏学院でフランス語の授業を週4クラス取っています。年齢的なこともさることながら、住んでみて、頭にくることも多い人々の気質や慣習の国でしたから、なかなかそういった国のことばをABCから始めるのはしんどいものがありましたが、ことばが鍵になり、この国に対して今まで受け入れずシャットアウトしていたことに急に広がりが持て、新たな発見ができてうれしくもあり.....少々驚いている状態です。

.....などなど取りとめのないことを書いてしまいましたが、ずっと欧州との行き来で、なかなか香港に行けない状況が続いていますが、3日間でも余裕ができたら、香港に立ち寄りたいと思っています。今後は大きな環境の変化があると思われますが、どうかたくさんの夢を持たれ、実現化していってほしいと思います。近いうちにお目にかかれますこと祈っております。

手紙の送り主は私の最も尊敬する友人です。一昨年に超人的な忙しさをとことん給料で補い、平気で日付が変わるまで働かせる業界からあっさり抜け出し、前々から興味を持っていたロンドンのアロマセラピーの学校に通い始め、今ではすっかりエッセンシャルオイルの虜のようです。私は彼女から信じられないくらい多くのことを教わりました。伊勢神宮という聖地を知り、毎年参拝に行くようになったのも彼女のおかげです。

それ以外にも、98年の金融危機の最中の香港で、「砂時計がひっくり返されて砂がサラサラと落ちてきています。もう時間はあまりありません」(02年5月4日の〜砂時計の時間〜より)との名言を吐いたのも、実は彼女でした。私も彼女の言わんとすることが痛いほどわかりましたが、その時は旅立って行く彼女を「いつか続きます」と心の中で誓いながら、黙って見送るしかありませんでした。それから数年で私はニュージーランドに出会いました。「ここだ!」と思ったひらめきが揺るぎがたい確信だったのは、そんな背景があったからかもしれません。

すぐに彼女に報告すると、「地球上で神様が住めるのはNZくらいだって言いますしね」という、不思議にして説得力のあるメールを送ってくれ、私の決断をとても喜んでくれました。(どうも彼女には私達が見えないものが見えてしまうようで、私は何を聞いても額面通り素直に聞くようにしています。その一言は後から必ず仕掛けがわかることばかりなのです!)"本当にやりたいと前々から思っていたことがなだれのように自分の時間に流れ込み"、"時間を使う嬉しさは一度わかってしまうと、質素に暮らすことなんて一向に構わなく思えます"というのも、移住が実現すれば私の近未来の姿でしょう。あと一息となった移住申請が終わったら、ゆっくりと返事をしたためることにしましょう。「これからも少し遅れながらも後を追っていきますので、どうぞよろしく」と・・・。

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「マヨネーズ」 昨日(まだ数時間前ですが)、上司にかなりの無理を承知で頼み込み、4月から半日勤務にさせてもらうことにしました。限られた香港での生活を「お金か時間か」で考えた時、私は迷わず後者を選びました。9年間お世話になったお手伝いさんを友人宅に譲り、自分の生活を自分の手で築く当たり前のことを一から始めてみようと思っています。

西蘭みこと