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Vol.0155 「NZ・生活編」 〜偉大なる隣人 その2〜

ニュージーランドに移住したら隣人となるオーストラリア人。最近はその中でもアボリジニの人々に非常に関心を寄せていますが、それ以外の西洋人や中華系オーストラリア人は、以前から身の回りにたくさんいました。オーストラリアはアジア経済が上り調子だった90年代、"白いアジア人"として官民挙げての積極的なアジア進出を図りました。97〜98年に金融バブルが弾けた後も多くのオージーがここに留まり、引き続き少なからぬ人たちがアジアを目指した結果、ここ10年でとても身近な存在になった気がします。今回はそんな彼らの声を拾ってみます。

女友だち:「日本でもこういうことするの?私の国では当たり前なんだけど。日本人はしないのかと思ってたわ。」 彼女のところに、お古のベビー服を届けに行った時の台詞です。私は長男の時からお下がりも着せていましたが、駅前留学の先生として日本での生活経験がある彼女は、日本人は常に新品を、ましてや最初の子には新しいものを買い与えると信じていたそうです。

彼女は私が持ち込んだ服を一枚一枚丁寧にチェックしてから、「季節とサイズが上手く合わなくて、うちの子が着れない物もあるんだけど、全部もらってもいいかしら?いとこの子に送ろうと思うの。オーストラリアだったら季節がちょうどいいわ」と言いました。有効利用できるのなら望むところ。子供の古着が海を越えてまで役に立っていくというのもなんだか嬉しく、彼女のきめ細かな配慮と謙虚さにとても感動しました。

子供の友だちのお母さん:「まったく、イギリス人っていうのはうるさいんだから!」と、いつもは物静かな彼女がプリプリ怒っています。娘にビキニの上を外して泳がせていたら、知らないイギリス人の年配女性に、"Is this a boy or a girl?"と聞かれたというのです。彼女の娘は長い金髪がクリクリで、どこから見ても女の子。「もちろん、女の子です」と答えたら、「女の子をこんな格好で泳がせるなんて」と顔をしかめて頭を振りながら行ってしまっんだそうです。「裸で泳ぐ気持ち良さを少しでも長く味わわせてあげたいと思ってるのに!どうしてこんなことにまで口出しするのかしら?娘はたった2才よ!」 これはほんの一例で、オーストラリア人とイギリス人の間には深〜くて長〜い河があるようです。

元同僚とその部下:「英語が話せればいいってもんじゃないんだ」と、私と同年輩で4人の子持ちのオージーは、部下で、新しく入った独身オージーの方をチラリと見ました。くだんの部下は飛び切りフランクでフレンドーなものの、上司としては、わざわざ"青目"を雇った以上、それだけではお気に召さないのです。ところが、新人クンは「もう契約しちゃったから仕方ないけど、香港人の○○って給料いくらもらってるか知ってるか?大学が△△らしいけど僕の3倍はいってるよ。やられたね、今回は・・・」と言ってはばかりません。

それも虚勢を張っているのではなくて、本当にそう信じてる様子。「○○は市場である程度評価の固まった名の知れたアナリスト。あなたはまったく無名の新人。違いのわかる香港では、もちろん待遇に差が出るんだけどな〜」と内心思いながら、「えっ?この会社に入る前は◇◇にいたの?僕はあそこ、一次面接で落とされたんだよ〜」と、あっけらか〜んと言う彼がなんとなく憎めず、リストラされていなくなるまでけっこう仲良くしてました。

オーストラリア国籍の中国人:「ホントにNZに移住するの?どーして?退屈よ〜、香港みたいなところから行ったら。私はオーストラリアでさえ耐えられなかったわ。それより、もっと静かで小さい国なのよ!」と、中国人らしく単刀直入な物言いの彼女。「シドニーで仕事を見つけて働き始めたけど、当時の私はシングルマザーだったから給料より社会保障の方がはるかに良かったの。働けば税金はがっぽり取られるし、社会保障を減らされて生活は苦しくなるし、むちゃくちゃ忙しくなるしで、けっきょく2週間で辞めてしまったわ。絶対、社会の構造が間違ってるのよ、働いた方がバカを見るなんて・・。でも家で子育てだけしてるのも我慢できなかったわね。だから香港に来て本当に良かったと思ってる。あなたも良く考えた方がいいわよ!」

2年半前にNZ移住を決めて以降、しばらくの間は計画を打ち明けると、「なんでNZなの?せめてオーストラリアにしたら?」と、ずい分言われたものです。しかしその後、NZ人気は世界的なものとなり、同時に世界のあちこちで大規模テロが起きてしまいました。その中で、隣り合った兄弟国の立場はどんどん乖離し、国としての考え方の違いが鮮明になってきました。計画当初の私はまさに、"あなた(=NZ)しか見えない状態"で、誰に何を言われても馬耳東風、まったく心を動かされませんでした。しかし、申請を済ませた今では、新たな隣人となる(かもしれない)、微妙に考えの違う非常に身近なオーストラリアに対し、とても興味を持っています。まずは「汝の隣人を愛せよ」ですかね?

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「マヨネーズ」 ご飯の炊き方と味噌汁の作り方を覚えて以来、すっかり料理づいている善。先日は子供たちが香港人の友だちの家で覚えてきた超カンタン料理を作りました。

善の大好物、「キャンベル・マカロニ」。@マカロニ300gを塩ゆでする(色がついた変わった形だと見栄えがいい)、Aゆであがったマカロニにキャンベル・スープを混ぜる。以上。

スープは凝固したプルンプルンを缶から出し、熱々のマカロニと混ぜて溶かし込みます。善イチ押しは「クリーミー・チキン・マッシュルーム」などホワイトソース系ですが、「ボルシチ」や「ミネストローネ」でもOKでは?お好みでチーズ、ハム、ブロッコリーを混ぜても。

西蘭みこと