Vol.0163 「NZ編」 〜ニュージーランドの位置〜 ニュージーランドの位置といったらオーストラリアの東、南極のちょっと上に決まってますが、今日は統計の中での位置、経済協力開発機構(OECD)加盟国30ヵ国の中での位置を見てみることにしましょう。 まずはお堅いところから。一般的に経済的な国力を測る尺度ということになっている「国内総生産(GDP)」。断トツ1位はアメリカ(10兆米ドル)で、2位はその半分以下の日本(4兆米ドル)です。「我がNZはど〜こかな〜〜〜〜」と、カーソルをグググゥ〜〜〜と下げると、ありました、ありました、グラフの下〜の方、27位の59億米ドル。単純計算でアメリカが1万円、日本が4000円持っているとしたら、NZは60円しか持っていないことになります。まずはあまりカネがないってことがわかりました。人口格差を均した「国民一人当たりGDP」でも21位で、人口が少ないがゆえに一人当たりでは"GDPリッチ"になるルクセンブルグなどとは対照的です。 しかし、景気動向を反映する「GDP成長率(2002年)」を見ると、世界中が不況にあえぐ中でNZは3位(3.8%)と絶好調です。日本はマイナス0.7%成長と30ヵ国中最低。しかも、経済が成長してもそれを食いつぶしかねないインフレ率がNZは13位(2.7%)とOECDの平均で、決して高くはありません。ちなみに日本は加盟国中、唯一のデフレ国。「農業のGDPに占める割合」は堂々の4位、同じく「工業の占める割合」は25位でかなりの農業国であることがわかります。 ところが、「教育」に目を移すと、軒並み10位以内という高水準!具体的には「読解力」、「数学」がともに3位で、「科学」が6位。「高卒以上の割合」は10位。「長文の本を頻繁に読む人の割合」(15歳)はな〜んと1位(39.4%)!2位はオーストラリア、3位はイギリスと英連邦強し!日本はビリの3%!ところが、「短い文章(特に漫画)を読む人の割合」となると、NZは21位(12.4%)、オーストラリア25位、イギリス最下位と英連邦が底辺なのに比べ、日本は圧倒的な1位(74.5%)!これって自国に漫画文化があるかないかで大きく左右されそうで、NZの場合、本以外に読むものがない(!)というお国の事情もありそうです。 「公共・社会」では、「政府純貯蓄(歳入−歳出)の対GDP比」が7位(4.1%)で、日本は貯蓄どころか足が出ちゃった状態のマイナス2.4%でブービー。他にも「政府腐敗認知指数」3位、「女性議員の割合」9位、「女性警察官の割合」6位、「軍事支出」27位など、いかにもクリーンで男女平等で平和な国らしい順位が並びます。ところが「犯罪」となると、話はガラリと違ってきます。「殺人・殺人未遂」は平均以下ながら、「暴行」は3位、比率にして千人当たり7.8人とかなり深刻!「強姦」も5位で1万人当たり2.2人!「住宅侵入窃盗」、「詐欺」、「薬物違反」すべて3位、「自転車盗難」5位、「窃盗」8位など、「殺人」以外では軒並み上位にズラズラと・・。そして「珊瑚と嵐と白いリボン」でも触れた「児童虐待による死亡数」も3位!こうした点こそが、安全なイメージが先行するNZの影の部分なのです。 ではここで、NZの位置から判断した移住後の西蘭家の生活を占ってみましょう!中小企業の安月給ながら(GDP27位)、持ち家で(住宅用民間総固定資産形成の実質年間成長率4位)、せっせと税金を払い(政府純貯蓄(歳入−歳出)の対GDP比7位)、生活はまあまあ(インフレ率13位)、仕事もまあまあ(競争力の世界ランク17位)といった平々凡々。水力発電の電力を使いながらも(水力発電の割合4位)無駄づかいはせず(電力消費量26位)、その分、気の効いた輸入品にはつい財布のひもが緩みがち(輸入の実質年間成長率6位)。 周りのみんなはネットをけっこうやるものの(インターネットユーザー数8位)ながら、家にパソコンがない場合も多く(パソコンの数14位)、職場で検索しまくりか?せっかく買った持ち家も空き巣対策に頭を悩まされ(住居侵入窃盗事件3位)、覚せい剤の蔓延も非常に気になるところ(薬物違反3位)。子供は読み書き、算数がそこそこでき(読解力、数学3位)、いつも本を読んでいる(長文の本の読書率1位)という親としては信じがたい優等生? 食べ物は農産国だけあって何でも豊富。野菜をたくさん採り(1人当たり年間供給量7位)、ラム(同2位)や牛肉(4位)も食べ放題?でも、断トツのお気に入りはバナナで(1位!なぜ?)、バター(5位)こってり、砂糖(2位)たっぷりの甘いものも大好き♪(になるかぁ?)飲み物はコーヒー(22位)からお茶(6位)に切り替え、アルコールもワイン(19位)よりビール(12位)に(今は「コーヒー+ワイン派」)。晩年はストレスがないためか「胃がん」(20位)の可能性は低いものの、私は「乳がん」(5位)を心配し、皮膚がんなど他のがんも考慮すると「がんで死ぬ」(8位)確率が高く、「呼吸器系疾患」(4位)や「交通事故でぽっくり」(6位)もあなどれません。しかし、「人口当たりの医者の数」(21位)、同「ベッド数」(16位)を考え合わせると、何はともあれ健康第一! (出所:鈴木賢志氏のホームページ「経済・社会データランキング/先進国(OECD)編」) *********************************************************************************** 「マヨネーズ」 怒涛の一週間でした。子供が「秋休み」で一週間学校がなかったため、一緒に泳いだり、バスケットをしたり、サンドイッチを作ったり、友だちと遊びに行ったり来たり、ハロウィーンパーティーに出かけたりで、今までの「子不幸」をかなり返上?しかし、彼らのパワーは留まるところを知らず、付いて行くのが精一杯(疲)。おかげで今回のメルマガは1日遅れに(涙)。明日はみんなで郊外へピクニックに行きます。静かになる来週からはどんな天気でもいいから、どうかもう1日秋晴れに恵まれますように。 西蘭みこと
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