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Vol.0189 「NZ・生活編」 〜気分はトレリス♪〜

生まれてこのかた、こんなにガーリッシュでフリフリでピンキッシュなものは着たことがないのですが、なぜか最近、トレリス・クーパーの服が着てみたくて仕方ありません。彼女はニュージーランドを代表するファッション・デザイナーで(と言うか、彼女以外の人を知りませんが)、各国で爆発的に売れている・・・という訳でもありませんが、国内でしっかりと地歩を固めた後、着々と海外進出を成功させています。

普段の私は断然、シンプルな寒色、もしくは思いっきりファンキーな服を好んで着ており、黒、ネイビー、グリーンかカラフルな色が定番です。最近、ちょっとチョコレート・ブラウンを着出したものの(占い師にラッキーカラーと言われたので←単純)、無難でコーディネートしやすくてもべージュなど淡い色には手が出ません。パステルなキレイ色も基本的にはすべてパス。髪も黒いし(ほとんど染めてません)、お世辞にも色白とは言えないので、いかにも白人に似合いそうな、どう考えても自分に似合わなそうな薄色系はまず着たことがありません。

なのに、「なぜトレリスなんだろう?」と、彼女のサイトを見ながらとくと考えた結果、配色がとても好みだということがわかりました。「実際には着なくても、こんな組み合わせ好きだな〜♪」というパターンがいくつもあり、彼女が得意とする赤の挿し具合など本当にいい感じです。いかにもビーズアクセ(サリー)が似合いそうな服という点も、創作意欲が湧いてきます。いきなり「全身トレリス!」っていうのはキビシイかもしれませんが、「ふわふわしたトップスにジーンズをプラス」とか、「黒のタンクにボリュームのあるロングスカートを合わせて・・」と、実際の服を手にしたこともないのに早くもバーチャル・コーディネーションが頭の中でグルグルと・・・。

あのオスカー女優、ジュリア・ロバーツさまが山のように買うほどお気に召しているのも何かの縁でしょうか? 余談ですが、夫は大大大のジュリア・ファン。そのため西蘭家では「ジュリア・ロバーツの新しい映画がさぁ・・」などと彼女を呼び捨てにすることは厳禁で、いつも「ジュリアさま」と、聖母マリア並みに「さま」付けで呼ぶのが暗黙の了解となっています。(彼は移住申請に不可欠な英語テストIELTSには、「クイーンズ・イングリッシュの習得」と称して映画「ノッティングヒルの恋人」を暗記するほど観て臨みました)

オシャレなジュリアさま、映画祭の時のドレスなどもビンテージのリメイクなど凝りまくったものをお召しになってますが、"普段は「BCBG」を愛用"というのをどこかで拝読し、「へぇ〜、私と同じ!」と思わず夫に報告したら、「軽々しく一緒にするな!」という憮然とした表情で、「あっ、そう。それで?」 二人の好みは再びトレリスでクロスオーバーしましたが、BCBGもワンピ(ース)などはちょっとフリッとしたものもあって、かなり無理はあるものの路線的にはトレリスも延長線上か?

しかし、大きな違いは、BCBGがフリフリっと行きたいところを都会的なセンスでグッとオシャレに抑えている一方で、トレリスはぜんぜんガマンしないでフリフリフリぃぃ〜♪とイッちゃってる点でしょうか? 一歩間違えばとてつもなく野暮ったく、脇にズレれば「ヴィヴィアン・ウエストウッド」の世界に足を踏み入れそうな、危ういところです。しかし、そこを圧倒的なカラー・コーディネーションと楚々としたガーリー風にまとめることで、コテコテの回顧趣味にならずにコンテンポラリーで洗練された仕上がりを実現している気がします。

いつかニュージーランドに移住でき、そのまたいつかにビーズアクセの店でも出せたら、トレリスの服を"明るい魔女風"に着込んで木目調の店で店番でもしましょうか? 店が跳ねたら、ひきずるようなスカートなどさっさと脱いで、いつものホットパンツに「アバクロ」のタンクにでも着替え、そこからは思いっきりオフタイム。家にすっ飛んで帰るもよし、子供や夫と落ち合ってビーチへ直行でもよし・・なんていうことがしてみたいと思い始めた今日この頃。やっぱり夢は一つでも多いほうがいい。

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「マヨネーズ」 今回は思いっ切り服の話にしました。ほとんどの男性には「なんのこと?」という内容だったかと思いますが、今回限りなのでご勘弁ください。最近ではあまり買いませんが、服は本来、大好きです。20代の頃は気が向くままに買ってずい分ムダ遣いをしましたが、その時にありとあらゆる素材(麻、シルク、カシミヤなど、香港ならではの種類の多さと価格でとことん試しました)やデザイン(それこそフリフリからマニッシュまで、手作り中国製からブランド品まで、なんでもかんでも)を着たことで、自分のスタイルがはっきりとわかるようになりました。

30代ではその時々で核となる好きなブランドを中心に買い足していくパターンができあがり、34歳までは「DKNY」+「ラルフ」+なぜか「ヴェルサス」。36歳までは「ビクトール&ビクトリア」にぞっこんでしたが、香港撤退で手に入らなくなってしまったのを契機に本格的に「BCBG」+たまに「ミュウミュウ」に移行。41歳で退職するまでカジュアルフライデーを除く週4日は着るほどの蜜月(年?)が続きました。

今は「アバクロ」が一番のお気に入りで、「エクスプレス」、「GAP」よりもセカンドラインの「オールド・ネイビー」などアメリカン・カジュアルを愛用してます。いずれも香港には店がない代わりに、すべてアウトレットで数百円で手に入るのもお気に入り度に拍車をかけています。基本的には気に入ればなんでも着るので、この冬は古着よりも安い150円で買ったセーターが一番活躍してくれています。

<写真はTクーパーの2004年サマーコレクションから。ねっ?フリフリでしょう?>

西蘭みこと