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Vol.0221 「NZ・生活編」 〜5月12日 午後編〜

「この世に偶然というものはない」ということを学んで以来、本当に物の見方、ひいては世の中の見方が変わりました。それまでだったら、ずっと連絡を取りたかった人に街でバッタリ再会すれば、「きゃ〜、スゴい偶然!」と、これをもっけの幸いと考え、「ツイてるな〜♪」と思いつつ、連絡先などもらってホックホクでした。家に帰ってからも、「今日ね、○○さんに偶然会ってさ〜、今まで連絡のしようがなかったからラッキーしちゃった♪」とでも、夫に報告していたことでしょう。
(←前々回に続いて再びグリーンレーンのアンティークショップから)

ところが、その再会を偶然でないとすると、「なぜ、ここで○○さんに会えたんだろう?」と考えるようになり、まず星の巡りあわせに感謝し、そこに込められたメッセージを読み取ろうとするようになりました。すると不思議なことに、再会以降、連絡を取り合ううちにお誘いを受け、それが意外な発展を遂げたり、再会をあきらめていた別の古い友人の連絡先がわかったり・・・など、話が思いがけない方向に進んでいくことがよくあるのです。私たちが家族ぐるみで親しくさせてもらっている一家などは、夫のシンガポール時代の元お客さんで、なんと10年ぶりに香港でバッタリ再会したのです。私はその年月に深い意義を感じました。

これらを偶然と片付け、意味を考えなければ、2回目以降の連絡の重要さに気付かず、その後の展開もなかったかもしれません。目の前に下がってきた蜘蛛の糸をみすみす見逃すようなものです。そうは言っても、「所詮は偶然だよ」、「単なる思い過ごし」、「手前味噌、我田引水」、「思い込み激し過ぎ!」という意見があるのも、もちろん承知しています。しかし、自らの体験から、そう考えてしまうにはあまりにも惜しいと思うようになり、反論は気にならなくなりました。今日は、そんな"幸せな思い込み"の話です。

話は再び5月12日へ。出かける直前のあわただしくしていた朝11時21分に入ったメールには、「わぉ、サンキュッ♪」 ママ・ティナの講演を聞いて戻ってきた時に入っていた12時27分のメールには、1時間涙にくれた直後だったせいか思わずホロリとさせられ、「今日はツイてるな♪」 その後はエージェントや勤務先の夫と、移民局へ提出する追加書類の件などでガタガタしているうちに子供たちが帰宅、あっという間に夕方に。

夕飯の用意に取りかかっていた6時34分、再びメールが。多忙を極めているかなり珍しい方からのメールで、再びジーンとしてしまいました。「あぁ、友だちって本当に素晴らしい。ありがたい。」 そう思いながら、神妙な気持ちで夕飯を作りました。そして、食事を終え、片付けを始める前に再びパソコンの前に行くと、またまたメールが。それを見た時、一日中緩みっぱなしだった涙腺が一段と緩み、思わず目頭が熱くなりました。「これは偶然じゃない。絶対、違う・・・。」

この日にニュージーランドから寄せられた4通のメールは、すべて日頃からメールのやり取りのある、読者の方からのものでした(元読者と言うべき親しい友人から、お目にかかったことのない方までさまざまですが)。その他にも、引越しに向けた家具引き取りや子供の習い事、仕事関係などで、いろいろなメールが入っていましたが、この4通は明らかに他とは違うものでした。用件はみごとに四者四様で共通点はありませんが、どれもお気遣いを感じる温かい内容でした。

今までもメルマガの反響などで、複数の在住の方から一度にメールをいただくことはありましたが、このように、まったく異なる内容でこうも親しい方から1日に4通も入ったことは初めてでした。しかも、当日に配信したメルマガに触れている人は一人もいません (笑) もちろん、このうちの誰一人として、私達がその日に移民局より思い切りネガティブな所見を受け取ったことなど、知りはしないのです。

それにもかかわらず、パソコンの前に行くたびに届いていたメール。4通目を受け取った時にその意味をしっかりと認識しました。何がどう作用しているのかわかりませんし、送ってくれたご本人たちにまったく自覚がないのは当然ですが、受信した身には"1通×4人=4通"ではなく、"1通の4乗=1通"のように思われました。3乗で立体になるなら、それにもう一つ気持ちが加わって、膨らみも温かみもある4通が、大切なメッセージを込めた貴重な1通を構成しているような気がしてきたのです。

まるでネガティブなコメントにKOされそうだった私達に、前後左右から支えの手が伸びてきたかのようでした。これを「単なる偶然」と思い込み、「お返事しなきゃ」と流してしまえば、ここまで感動し、感謝の念で胸が熱くなることもなかったと思います。しかし、偶然を信じなくなった私にはメールの内容そのものよりも、そこに込められた想いが強く、熱く響いてきました。「3度目の正直」とか「2度あることは3度ある」という諺がありますが、ダメ押しの4通目をもって、とうとうメッセージを読み解くことができました。

これにて5月12日は紛れもなく、特別な、一つの角を曲がった日になりました。移民局からの強烈なウェイクアップ・コール。それがまったく霞んでしまったママ・ティナの圧倒的な存在感。そして夜になってわかった、身の回りに張り巡らされた温かく柔らかなセーフティーネット。「私達は間違いなく支えられている。大丈夫。きっと前に進める。願いはかなう。この現実に心から感謝!」 そう思えた時、私は突き抜けました。まぶたの奥には茫洋と広がる緑と海がどこまでも、どこまでも続いていました。

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「マヨネーズ」 メールをくれた4人がこれを読んで、クスッと笑っているか首をかしげている様子が思い浮かびますが、この感動は受け取った者の特権です(笑) ごっつぁんです♪

西蘭みこと

   
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