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Vol.011 ■ 天然厚底

今頃のニュージーランド、さすがに寒くて裸足で外を歩く人もいないことでしょう。私達はいつも盛夏に当る1、2月に訪問しているので、どこでも裸足の人をよく見かけます。履いているのが当たり前のところから来ると、履いてない人についつい目がいってしまい、たくさんいるような錯覚に陥っているのかもしれませんが。

公園やビーチ付近で見かけるぐらいは分からなくもないですが、街中のアスファルトの上を靴も持たずにトコトコ歩いているかと思えば、スーパーの中を裸足でお買い物という光景も。裸足自転車、裸足マイカー(素足でブレーキ踏んでるんでしょうか?)「やっぱりそうだったのか!」とナゾが解けた、裸足公衆トイレというのも見ました。

気持ち良さそうな姿に私達も真似をしてみましたが、いざ歩いてみると普段は気が付かないようなものがたくさん落ちていたり、結構地面に凹凸があったりで、気持ち良さよりも痛さが先に立ち、何か危ない物が落ちてないかと目つきも鋭くなって、のんびりしたバカンス気分から一転、伏し目がちに押し黙って歩く4人の修行僧状態。次男などは涙目に・・・。

そんな時に出会ったプリサントポイントのアーティスト、ギャレス・ジェームス。作業場の鉄鋼溶接所を案内してくれながら、靴を履いている私達に「足元に気を付けて」と言いながら、自分は裸足で鉄屑の上をスタスタ。その日はたまたま釜に火が入っていませんでしたが、入っていてもこんな調子で酷暑の中、汗だくになりながら裸足で仕事をしているのでしょう。

「鍛えればこうなるのか〜」と後からついて行きながら彼の足をしげしげと見ると、まるで何か履いているかのように、かかとからつま先まで肌の色より一段と濃い色の固そうな皮にグルッと覆われています。「これなら多少の物を踏んでも・・・」となおも見つめていると、「あ、厚底!」。そう!足の裏に靴底が一枚張り付いているように、足がもっこりと上下に膨らんでいるではないですか!天然なのか、毎日裸足でいるうちに厚くなってしまったのか…。ここまで来ると「どうやって靴を履くんだろう?」という疑問も・・・。カタチからキウイに入るのは大変だということをしみじみと痛感しました。

西蘭みこと