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Vol.025 ■ LOVE & PEACE

10月12日。ご存知の通り、この日、インドネシアのバリ島で爆破テロがあり、少なくとも180人以上の命が一瞬にして奪われてしまいました。その週末は「バリ・テンス」という、クラブチームによる10人制ラグビー大会が開催されており、世界各国からアマチュア・ラガー達が集まってきていたのです。爆破があったクタは、試合を終えた各国選手が毎年繰り出す場所で、ラガーの多くも事件に巻き込まれてしまいました。

キウイも1人の死亡が確認され、2人が行方不明となり数名の負傷者が出ています(10月28日現在)。しかし、ラグビー王国のニュージーランドとしては驚くほど被害が少なく、バリを訪れる外国人の中では最も人数が多く、ラグビー人口も多いオーストラリアの甚大な被害と比べたら奇跡的な少なさでした。

「ニュージーランド・ヘラルド」(インターネット版)では事件直後から、つぶさな報道だけでなく、「バリ爆破:メッセージ&インフォメーション」 という専用ページを設けて、関係者や安否を気遣う人達への情報交換の場を提供しています。真っ先に死亡が確認された、ティマルのクリケット・プレーヤー、マーク・パーカー氏のもとにはたくさんの弔問メールが寄せられました。

「コレってNZらしいな」と思ったのは、「死亡者」の中にキウイのボーイフレンドのイギリス人の名前が混じっていたり、「負傷者」の名前以外に、「無事だった人」という欄もあって、事件に巻き込まれなかった人の名前がズラ〜っと出身地と年齢入りで出ていたりするところです。プライバシーも何もありませんが、安否を気遣う人にはとても助かったことでしょう。

他にも掲示板の書き込み感覚のものや個人宛のものなどたくさんのメールが掲載されていますが、この"ご近所感覚"とでも呼びたい、なんとも身近で独特な、キウイらしい人との関わり方が興味深く、ついつい読み進んでしまいました。でも誰でも願うことはただ一つ。こんな不幸が二度と繰り返されてはいけないということ。犠牲者の方々の冥福を心からお祈り致します。

西蘭みこと