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Vol.043 ■ ニュージーランドへの道 : 遠い道のり

前回お話したように、私達は昨年3月末にニュージーランド移住に向けて「ロングターム・ビジネス・ビザ」(LTBV)を申請しました。これは事業ビザの一種で、起業するか既存事業に大口出資する人の申請枠です。ただし、LTBV自体は永住権ではなく、永住権を手にするためには、実際にニュージーランドで2年以上の業務実績を積み、改めて起業家枠に申請し直さなくてはなりません。その点では、申請から永住権獲得までの道のりが最も遠い方法です。

しかし、私達は他の申請枠をよくよく吟味した上で、LTBVへの申請を決めました。そのための準備に丸2年を費やし、満を持して(・・・のハズ^^;)1年2ヶ月前に申請に漕ぎつけたのです。その間、移住条件は厳しくなる一方で、検討を始めた時には必ずしも必要ではなかった英語力や事業内容に関する細かい条件も、瞬く間に必須条件となり、申請を済ませた後も文書での条件の厳格化はなかったものの、移民局の態度は明らかに厳しくなっているようでした。

しかも、私達の場合、既存事業への出資や買収での申請ではなく、独自の事業計画を持ち込んだので、審査に時間がかかるのは必至の情勢でした。ですから、「カフェやお店を一軒買って・・・」というよくある申請に比べ、返事が遅くなる可能性は当初から覚悟していました。エージェントも申請時に、「11ヶ月は待つでしょう(なぜか1年とは言われませんでした)」と言っていたので、相当の待ち時間があるものと腹をくくりました。

その間、エージェントからは定期的にメールで連絡が入りましたが、すでにできあがっているテンプレートに私達の名前だけを書き入れたような通り一遍なもので、情報らしい情報はほとんど得られませんでした。いろいろ質問を返しても、彼らの返答からは申請が始まっているのかさえ判然としませんでした。夫や私の勤務先にも移民局からの照会がないことから、「まだ手付かずなんだろう」と判断し、とりあえず彼らのいう11ヶ月間を待ってみることにしました。

西蘭みこと